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『ラボ(研究室)からの独り言』 もと医薬品成分の大量摂取には疑問が

更新日:2014/09/30

内閣府食品安全委員会から、コエンザイムQ10に関する食品健康影響評価の審議結果が発表され、「健康食品の成分で、医薬品としても用いられるものについては、医薬品として用いられる量を超えないよう」にと改めて指導され、一日摂取目安量が医薬品の一日摂取量を超える製品の安全性については、各事業者により適切に確保するように通告がありました。
この通告を読み、ルールや確りしたデーターを基に製品づくりをすることがいかに大切であるか痛感いたしました。

 

厚生労働省では、昭和63年より「健康食品の摂取量及び摂取方法の表示に関する指針」を通知し、健康食品の成分が経口摂取の医薬品として用いられるものについては、1日の摂取目安量を、医薬品として用いられる量を超えないよう指導してきました。

今回、評価対象となったコエンザイムQ10は、ユビデカレノンとして日本薬局方に収載され、「基礎治療施行中の軽度及び中等度のうっ血性心不全症状」の効能・効果及び1日30mgの用量で承認されています。

 

現在、市場では「コエンザイムQ10含有健康食品」は、総じて1日の推奨量が30~300mgの製品が流通しています。コエンザイムQ10を大量に摂取することで得られる効果についは、十分な情報やデータはありません。
今回の評価表の結論も、「不十分な情報に基づく、摂取上限目安量の設定も含めた食品としての安全性の評価を行うよりも、むしろ安全性の確保の観点からは、これまでどおり、原則医薬品の1日用量を超えないというリスク管理措置を配慮することが重要である」と結んでいます。

 

コエンザイムQ10では、以前含有量の数字を偽る「偽コエンザイムQ10」商品が販売されていたや「過度な摂取は好ましくない」と言う記事が朝日新聞や東京新聞に掲載されたりするなど大量摂取には懐疑的な要素を抱えていたのが実情です。安易なブームや売らんがための数字あわせに対する警鐘として受けとめ、業界全体がより確かな製品造りを目指してくれると有り難いのですが。

もともとコエンザイムQ10が、医薬品から健康補助食品の成分として認められた理由の一つは、心臓病の薬としての効果よりは、エネルギー産生にかかわる作用やその強力な抗酸化作用、老化防止作用に注目されてのことでした。α-リポ酸、L-カルニチンも食薬区分のなかから食品として採用が可能になった成分です。薬としての摂取量は、例えばα-リポ酸は経口で10mg~60mgでした。

 

今回の通知はこうした成分の使用ガイドラインを再確認したものと思われます。数字の大きさに惑わされて、治療的な効果を期待して大量摂取をするよりは、その特性作用を十分にいかすような摂取のしかたが望まれます。コエンザイムQ10とα-リポ酸、L-カルニチンは一緒に摂取すると良いと言われるのも脂肪の燃焼や抗酸化、細胞活性などに三つの成分がバランスよく働くからです。

ホメオバイタルQ-10EXには、主成分のアシュワガンダやソフォンの他にコエンザイムQ10(26mg)、L-カルニチン(100mg)、α-リポ酸(30mg)などが医薬品として使われていた量や成分の1日の必要量を考慮して処方されています。

ウイズのクリニカルサプリメントが、単独成分だけで構成されていないのも、人間のホメオスタシス(生体の恒常性保持)の向上には、複数の成分がバランスよく働いた方が良いと考えているからです。

 

栄養補助食品を選択・利用する際には、日常のバランスのとれた食生活や運動が最も重要であることを常に認識し、科学的根拠の乏しい情報に振り回されず、冷静にその必要性を判断することが大切だと思います。
ウイズの製品は、医療現場を始め原材料メーカーや製薬会社から、色々な症例やデーターをいただきそれを基に、私が処方した確かな製品です。