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芦原紀昭医師の『臨床の現場から』 なぜ、ゴロ寝体操と腰回し体操で健康になれるのか?

更新日:2014/10/14

骨盤のゆがみは健康を損なう「万病」の素

私たちの体は、骨格と筋肉によって支えられていますが、加齢や生活習慣によって不自然な力が加わったり、筋肉が衰えて弱ってくると、骨格がゆがんで関節にズレが生じてしまいます。骨格の中でも特に骨盤のゆがみが生じたとき、私たちは肥満に陥りやすく、色々な病気を発症することがわかっています。
骨盤のゆがみは、肥満の原因となる食べすぎも招きます。というのも、骨盤がゆがめば、ただでさえ弱くなっている腹筋に負担がかかり、胃の重みを支えることができなくなってしまいます。その結果、胃が下垂し、胃そのものが大きくなるので、適度な食事量では満腹感が得られなくなってしまうのです。
また、腹筋が衰えれば腸の働きも悪化し、排便がスムーズにできなくなり便秘を招きます。
さらに、骨盤がゆがめば、胃だけでなく内臓全体が下垂し、骨盤内の血管を圧迫するので、血流が悪化します。そして、その影響は全身に及びます。血流の悪化によって起こる代表的な病気は、いうまでもなく冷え症です。体の中心部である骨盤内の血流が悪化して冷えれば、末端の手足はさらに冷えることになります。もちろん、血行不良は、生理痛や生理不順にも深くかかわっています。また、高血圧・高血糖・脂肪肝などを招く可能性も大きいといえるでしょう。
さらに、全身の血流の悪化は、代謝(体内で行われる化学反応)の滞りを招きます。代謝が滞れば、食べ物から得たカロリーが十分に消費されない体質になってしまうのです。その結果、肥満や体型の崩れ、下腹太りなどとなって現れるのです。それだけではありません。骨盤のゆがみは、自律神経失調症(自律神経とは意志とは無関係に内臓や血管の働きを支配する神経)、アレルギー症、不眠症など、考えられるだけでも20以上もの病気と深くかかわっていることがわかっています。

「ゴロ寝体操」と「腰回し体操」は、骨盤のゆがみを正し、病気を寄付けない身体に
腹筋など骨盤のまわりの筋力を強化し、骨盤や股関節の歪みを直します
肥満やさまざまな病気、あるいは体形の崩れまで招く骨盤のゆがみを正すためには、お尻や太ももの筋肉、そして腹筋を強化するしかありません。こうしたお尻の筋肉や太ももの筋肉、腹筋などの骨盤まわりの筋肉を鍛えるのに最適な運動が「ゴロ寝体操」と「腰回し体操」です。
「ゴロ寝体操」や「腰回し体操」は、簡単な運動なのに効果は抜群です。この運動を毎日行えば、骨盤まわりの筋肉を少しずつ強化できます。筋肉が強化されるにつれて、骨盤のゆがみが正され、内臓が本来あるべき場所に収まるようになり、大きくなっていた胃も小さくなリます。

内臓下垂が治り、血流が良くなり代謝が活発になり病気に負けない身体に
骨盤のゆがみが正されれば、骨盤の血管が内臓による圧迫から開放されるので、全身の血行が促進され、新陳代謝(古いものと新しいものの入れ替わり)も活発になります。その結果、血行不良による冷えや生理痛、生理不順も解消され、さらに生活習慣病、うつ病なども改善されます。また、消費するエネルギーの量が増加するので、ダイエット効果も大変大きく、効率よくウエスト、太もも、お尻を引き締めることができます。