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『ラボ(研究室)からの独り言』 異物混入問題がもたらす食の安全とは

更新日:2015/02/23

年が明けてから、食品への異物混入事件が相次いで報じられています。もっとも大きく報じられているのはマクドナルドの「チキンマックナゲット」へのビニール片混入やフライドポテトへの「人の歯」の混入、デザートへのプラスチック片混入などですが、これ以外のメーカーでも野菜ジュースへのティッシュペーパー混入やベビーフードへのコオロギ混入、コンビニおにぎりへのビニール片混入なども報じられています。今回は、異物混入問題を起こしている企業と同じ法律(食品衛生法)で管理・監督されているなかで、ウイズのサプリメントがどのように安全な環境でつくられているかお話ししたいと思います。

次々と明らかになるマクドナルドの異物混入問題。異物の混入は、コンビニなどほかの企業でも起きていたことが新たに分かり、報道も過熱する一方です。最近になって、こういった事故が急増したのか、それとも以前から同様のことが起きていたのに、話題にならなかったのか、不思議な感じがします。
今回の混入騒動も去年の夏や秋に発生していた事故が、ここにきて明らかにされていることもあるようです。

なぜ、無くならない異物混入。表面化しないが日常的に起こっている現状。
東京都の福祉保健局に寄せられた食品の異物混入に関する苦情の件数を見ると、中国製冷凍ギョーザによる中毒事件があった2008年以降は減少傾向にありますが、2012年には700件近い苦情が寄せられていることが分かります。
マスコミに登場する食品問題評論家達は、「これだけ出てくるということは、日常的にそういったことがあるんだと言わざるを得ない。異物混入防止よりも、異物発見の方にお金をかけてやらないと、繰り返されるんじゃないかなという気がする」と述べているが、果たしてそれが解決に繋がるのかどうかは、はなはだ疑問です。
前述の東京都福祉保健局によると、食品のトラブルの中で、「異物混入」は、「有症苦情」(体調を崩したけれど原因が特定できなかった)に次いで2番目に多い苦情だとか。

●異物混入を防げない製造工場の実体
2012年度には681件の「異物混入」の苦情が寄せられ、うち約56%が飲食店でした。残りの4割強、約300件は、今回のペヤングの件と同じく、工場などでの製造トラブルでした。
製品のクオリティには、処方や原料、そして製造工場の善し悪しが大きな影響を与えます。今回のように製造工場や店鋪などの管理や清掃に問題があると製品や企業への信頼性は一挙に崩れます。
今回の食品への異物混入が相次いでいる問題で、厚生労働省は、食品を扱う事業者への指導を徹底するよう、全国の自治体に求めました。この中では、工場の設備の部品などが食品に混入しないよう分解や組み立てなどを適切に行うことや、窓や排気口に網戸を設置し虫の混入を防ぐなど、食の安全を守るため指導を徹底するよう求めています。
この通達こそが、食品を扱う工場の現状をよく表わしていると思います。「窓や排気口に網戸を設置し虫の混入を防ぐ」などといった言葉が並び、ごくごく当たり前のことを注意喚起しなければならないような現状があるのだと思います。食品を扱う工場や飲食店を取り締まる「食品衛生法」の緩さを感じます。

食品衛生法の曖昧なルールと極端な経営の効率化が生んだ歪みが遠因に。
このような異物混入がなぜ問題になるかと言うと、食品の安全性の確保のために制定された「食品衛生法」で「不潔、異物の混入又は添加その他の事由により、人の健康を損なうおそれがあるもの」について製造販売を禁止することを明記してあるからです。
しかし、何が異物であるかの記述は明確ではありません。その曖昧さが異物混入について企業独自の判断や対応で収束してしまうケースが多くあるようで、今回報道された事故でも、マクドナルドを始め企業側は既に解決している事案と思っている節がみられます。

●人災ともいえる部分が
ただ、話が少しずれますが次々と明らかになったマクドナルドの異物混入問題は起こるべくして起きたような気がしてなりません。
マクドナルドは事業の効率化を計りマーケティング改革などに辣腕を振るった原田社長時代に推進した極端なFC化が弊害をもたらしたようで訴訟問題を抱えることにもなりました。
また、店鋪でも効率化の波に飲まれスタッフの人員削減を余儀なくされ、同社が強みとしていた現場力も低下したためだと思います。
店舗の清掃や調理器具の手入れがおろそかになるような現場では、異物混入の機会も増えてくるのが当たり前だと思います。
効率化の名の下に原材料の価格を落とし、人員削減で現場を知っている店長級の人材が流出し大事な人材を失ってしまうことがこのような事故を起こす下地になっていると思います。

町のラーメン屋さんからサプリメント迄を包括して規制する食品委製法で良いのか?
さて、食品衛生法は、食品の安全性の確保のために公衆衛生の見地から必要な規制その他の措置を講ずることにより、飲食に起因する衛生上の危害の発生を防止し、もって国民の健康の保護を図ることを目的とした法令と言われています。
この法律で食品とは、全ての飲食物をさします。
ただし、医薬品、医薬部外品及び再生医療等製品は、これに含まれません、医薬品などはもっと厳しい基準で製造が許可されています。

よく笑い話として使われる、ラーメンを運んできたおばさんに、お客が「おばさん、指が入っているよ」と言うと、おばさんが「大丈夫、慣れているから熱くはないよ」と言うやり取りがありますが、このラーメン屋さんも食品衛生法で規制されているのです。
実は、ウイズの製品を始め健康食品やサプリメントと呼ばれるものも、この「食品衛生法」で管理されています。
この曖昧なルールで製造されているサプリメントや健康食品が、医薬品に比べ原料選定や工場設備、製造工程、検品体制など、安全性、品質にバラつきがあるのは、製薬会社に勤務した経験のある私にはよくわかっていました。

●食品衛生法より厳しいルールのGMP基準で
サプリメントの製造に当たっては、栄養素の配合や量、原材料、添加物の選定はもちろん、「安全」であることが最優先で考えられるべきです。
しかし、サプリメントは法的には「食品」となるため、「GMP基準」の工場での生産が義務づけら
れている医薬品に比べると、工場設備、製造工程、検品体制など、安全性、品質維持の体制が不十分と考えられる工場も存在しているのが現実です。
2013年当時、日本国内の健康食品に関連する工場、施設は約5,000ヵ所あり、そのうち約90~110ヵ所の工場・施設だけがGMP認証を受けていました。とても少ない数です。

私がGMP工場にこだわるのは、医薬品レベルの効果と安全を求めるから
製薬会社における厳しい製造ラインを知っている私は、医薬品製造の基準であるGMP認定工場にこだわり、そこでサプリメントを製造することにこだわりました。
GMP(Good Manufacturing Practice)とは「医薬品及び医薬部外品の製造管理及び品質管理の基準」と訳され、「患者が安心して医薬品を利用するために医薬品製造所が行うべきこと」をまとめたもので、そこで製造されるサプリメントは、
◎商品処方、剤型、主原料の選択、試作量の調整
◎試作機による試作及び製造適性条件の確認
◎試作品の評価◎経時安定性の評価 ◎生産準備(原料手配、生産ラインの確保)
◎製品試験 (一般生菌、崩壊試験、硬度等)が、試作品と比較し有意差のないことを確認
◎合否及び出荷可否の判定
などの工程を踏み、問題がなければ「出荷」されます。
この工程を実行するためには、ハード面(設備、環境)とソフト面(人の行動、記録、評価など)の整備が必要です。

ハード面では、エアシャワー、高機能作業服、高性能フィルター、殺菌灯の設置などの衛生的な環境作りの為の設備や製造機械、ラインなどが含まれます。
また、ソフト面では、「ルールを決めて書類を作る」、「ルール通りに実行し記録を残す(文書化)」、「社員の教育、ミーティングの実施」などで「誰がいつ作業しても、必ず同じ品質の製品を作り続ける環境」を目指しています。
さらに、原料の受け入れ、医薬品の製造、包装、搬出に至るまで、あらゆる段階でチェック機能を設け、その全てをパスしなければ出荷できないシステムを構築します。そこでは、異物混入などのミスは考えられません。

●コスト高を理由にGMP工場を採用しない
ではなぜ、サプリメントを製造する会社や販売会社がGMP認定工場を使用しないのでしょうか。それはコストの問題です。
GMP認定工場の設備や機器は導入にはかなりの資金がかかります。また、かかわるスタッフも多くなります。当然、設備費や人件費は製品のコストに反映します。
よくテレビショッピングなどで販売されいる廉価の製品は、GMP認定工場での製造はできません。

より高い効果と安全性を追求した製品‥‥‥そのためにGMP工場での製品製造は不可欠です。
私はこのクオリティを持つGMP工場にウイズのサプリメント製造を依頼しています。

食品レベルではなく医薬品レベルで製造したクリニカルサプリメントの効果を期待していただくと共に、その安全性を安心して実感していただけると思います。
今後とも安心して愛飲していただければ幸いです。